Haru_Bauble’s diary

成人男性のチラ裏。

二つの選択肢の散髪、行くのは一つ 2020_12/29

先日、髪を切りに行った。

 

僕は散髪をするときは2つの店舗を使っている。

 

ひとつは全国チェーンの理容室。

小学生くらいのときに親と初めて入り、同じ高校だったという話題で親と店員さんが仲良くなり、そこから散髪のときはそこに連れて行かれるようになった。

その店員さんはもういないし、僕も他の店員さんと仲がいいわけではないが何となく今も行く時がある。

 

カット・顔剃り・シャンプーで2000円しない。

安価だ。

別に髪型にこだわりはないけど1000円カットはなんだかなぁ…という僕の気持ちを適当に誤魔化してくれる。

どうせいつも「ツーブロックにしてあとは全体的に少し切ってすいてください。」しか希望を言わないのだから。

 

 

もうひとつが、自宅から歩いて1分もない近所の小さな床屋だ。

老夫婦が営んでおり、人が入っているのをあまり見たことがない。

僕が行く時、ご主人はだいたい新聞を読んでいる。

 

保育園の時に1回か2回行った程度で、そのときのことはもう全然覚えていない。

たしかそのときは他のお客の出入りもそこそこあった記憶があるような。

 

今年の夏ごろ、後者の床屋にすごく久しぶりに行った。

髪が伸びて散髪したかったが、まだ車を持っていなかったので前者の理容室に行くのが億劫でどうしようと考えたとき、ここでいいかとなった。

 

部屋着から軽く着替えて床屋へ。

案内されて流れるようにシートへ座った。

 

目の前の大きな鏡に映し出された店内は年季が入っており、古めかしさをこれでもかと出している棚は何となく中学校の理科室や美術室の棚を彷彿とさせた。

首に巻かれたエプロンにはカウボーイハットを軽く被った初老の外国人男性が印刷されている。

ダンディー」というより「ハンサム」がふさわしいだろうか。

 

髪型の希望を何となく伝え、カット。

最近暑いね、と「床屋あるある」のテンプレートのような世間話に。

暑いですよねぇ、髪長くて切りたくなっちゃって。すぐそこの家に住んでるんですけど、散髪してもらいたくて保育園ぶりに来ました。

と、近所であることを伝えた。

 

もしかして○○さんとこのお孫さん?と一瞬で認知された。

近所の間柄というのは非常に狭い世界だ。

 

そこからは小さいときの話やご主人のお孫さんの話に。

ほんわかとした、緊張感の全くない時間が流れて気がつくと散髪は終わっていた。

 

出来上がりの髪型は、丁寧な仕上がりだがいささかきっちりしすぎと言う感じだ。

ご主人の人柄が現れているかのようだ。

良くも悪くも「若さ」はあまり感じない。

ただ、それが良かった。

 

お代は2800円。

理容室より約1000円高いが、この趣きのある空間で過ごせた事を考えると全く不満はない。

 

それから何度か床屋に足を運び、緩やかなひとときを過ごした。

先日行った時はご主人に

「今年はありがとう。来年もよろしくね。」

と素敵な笑顔で言われた。

僕はこういうのに弱い。

 

勿論、前者の理容室も今でも行っている。

どちらも良さがあるのだ。

囲碁と将棋、どちらがゲームとして秀でているか、なんて質問は無粋だろう。

 

 

特にオチはないが、こういう素敵な経験を積む事で人生の徳が積まれるのだろう。

僕は口を開けば下ネタしか出ないマイナス妖怪なので0に少しでも近づけて早く人間になりたい。

 

特にオチはない。下ネタで締めようとしなかった自分を褒めたい。

徳積んでるよ〜!!!いいよ〜!!!